カプサイシンや黒胡椒で嚥下反射が改善する??
唐辛子に含まれるカプサイシンや黒胡椒が嚥下に良いかも知れないという話を聞いたことがある方もしれません。
実際にカプサイシンや黒胡椒を使った商品が売られており、病院や介護施設で誤嚥性肺炎予防目的で使われているようです。
作用機序は?
カプサイシンや黒胡椒が嚥下機能を改善する作用機序としては、カプサイシンや黒胡椒がサブスタンスPという嚥下反射や咳反射をつかさどる神経伝達物質の放出を増加させることで、嚥下反射や咳反射が改善して誤嚥性肺炎予防になると考えられています。
もう少し詳しく説明すると、カプサイシンや黒胡椒が温度感受性TRPチャネルを刺激することで、サブスタンスPの放出が増加するようです。特にカプサイシンや黒胡椒はTRPチャネルのうちTRPV1というタイプの受容体を刺激します。

その他代表的なTRPチャネルとして、TRPM8(ペパーミント)、TRPA1(わさび、ニンニク、シナモン)などがあります(下図)

最近ではTRPA1を用いた嚥下障害治療薬の開発も行われているようですね。
A randomized clinical trial on the acute therapeutic effect of TRPA1 and TRPM8 agonists in patients with oropharyngeal dysphagia
Neurogastroenterol Motil . 2020 Jun;32(6)
カプフィルム 山田養蜂場
それでは実際にカプサイシンや黒胡椒を用いた商品をご紹介します。
まずは山田養蜂場から発売されているカプフィルムです。

カプフィルムには嚥下反射を改善する効果のあるカプサイシンの他、サブスタンスPの分解を抑制する酵素分解ローヤルゼリーや、サブスタンスPの産生を促進するテアニンが配合されているようです。実際に使ったことのある方によると、味はほんのりした甘みがあり唐辛子のピリッとした辛味はほんの少し感じる程度の様です。
購入は山田養蜂場公式ホームページでも出来ますので是非ご覧下さい。
カプフィルム 96枚入(24枚入×4ケース)むせにご縁なし 株式会社オオノ
次に黒胡椒を用いた商品をご紹介します。
株式会社オオノから発売されている「むせにご縁なし」です。

こちらの商品は付属のひも付きポケットに入れて首から掛けて、黒胡椒の匂い刺激を与えることができるようになっています。
購入は全国のひかり薬局やプラザ薬局で販売されており、現在のところネット購入は出来ない様です。ひかり薬局やプラザ薬局の店舗一覧はこちら。