口腔ケアの費用対効果

口腔ケアの費用対効果

口腔ケアの費用対効果はどのくらいなのでしょうか?

少し古いですが、口腔ケアの費用対効果についてよく引用される文献を紹介します。

要介護高齢者に対する口腔ケアの費用対効果分析

(道脇 幸博,老年歯学 2003;17:275-280)

対象と方法

特別養護老人ホーム入所者366名を対象に2年間調査しました。

口腔ケア群184名非口腔ケア群186名に分け、口腔ケア群には「施設介護者もしくは看護師による毎食後の歯磨きと1%ポピヨンヨードによる含嗽、さらに週1回の歯科医師または歯科衛生士による専門的、機会的な口腔清掃」を行いました。

結果

7日以上の発熱があった割合は口腔ケア群15%非口腔ケア群29%

肺炎の罹患率口腔ケア群11%非口腔ケア群19%

肺炎による死亡口腔ケア群7%非口腔ケア群16%

口腔ケア群にかかった医療費(口腔ケアの費用+肺炎の治療費)の合計は6997万6560円

非口腔ケアにかかかった医療費(肺炎の治療費)の合計は5734万9840円

口腔ケアの費用便益比は0.82(57349840÷69976560)ですが、口腔ケアには直接・間接費用がほとんど生じないのに対し、誤嚥性肺炎による入院では家族の介護負担や入院治療に伴う患者の苦痛などの間接費用も生じます。

管理人のまとめ・感想

口腔ケアの誤嚥性肺炎予防の費用対効果について説明する際に良く引用される文献をご紹介しました。

口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防効果があったとしても、口腔ケアにかかる医療費が高過ぎれば、国の財政負担がさらに増えてしまいます。

論文の結果では、口腔ケアを行った群の方がかかった医療費はやや多い結果となりましたが、1人当たりの増加分は2年間で約7万円であり、増えた医療費以上の効果(誤嚥性肺炎の罹患率減少や死亡率の減少)が得られたのではないでしょうか。

引き続き、口腔ケアの誤嚥性肺炎予防の費用対効果に関する研究が待たれます。

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