シロスタゾールの誤嚥性肺炎予防に関するエビデンス

シロスタゾールとは?

  • シロスタゾールは脳梗塞の再発予防などに使われる抗血小板薬の一種である。
  • 商品名はシロスタゾールプレタール、コートリズム、シロシナミン、シロスレット、プレトモール、ホンダゾールなどがある。
  • 主な副作用としては頭痛が最も多く、その他に下痢や頻脈、動悸などがある。

シロスタゾールが誤嚥性肺炎を予防する作用機序は?

  • 誤嚥性肺炎予防のためには嚥下反射および咳反射を改善させる(誤嚥を防ぐ)ことが有効ですが、その嚥下反射と咳反射をつかさどる神経伝達物質にサブスタンスPという物質があります。
  • シロスタゾールはサブスタンスPを増加させる働きがある為、嚥下反射や咳反射の改善をもたらし、誤嚥性肺炎予防に効果があるとされています。

シロスタゾールの誤嚥性肺炎予防に関する文献一覧

Antithrombotic Therapy for Prevention of Pneumonia

M Yamaya,J Am Geriatr Soc . 2001 May;49(5):687-8
  • 297名の患者をシロスタゾール100mg/日投与群に152名と、積極的な治療なし(シロスタゾール非投与)群に145名に無作為に割り付け、3年間調査した。シロスタゾール投与群のうち27名が副作用の為試験から脱落した。
  • 追跡期間中の肺炎発症数はシロスタゾール投与群で125名中12名(10%)、積極的な治療なし(シロスタゾール非投与)群で145名中35名(24%)であった。
  • シロスタゾールを投与されていない患者とシロスタゾールを投与されている患者を比較した場合の肺炎発症の相対リスクが2.30(p<0.02)であった。
  • 脳卒中の既往のある患者にシロスタゾールを投与すると、肺炎リスクが40%低下する。

Antiplatelet Cilostazol Is Effective in the Prevention of Pneumonia in Ischemic Stroke Patients in the Chronic Stage

Yukito Shinohara,Cerebrovasc Dis . 2006;22(1):57-60
  • シロスタゾール群524例,プラセボ群525例の1,049例を3.3年間追跡した。
  • 肺炎の発生率はシロスタゾール群で0.57%(524例中3例)、プラセボ群で2.86%(525例中15例)であり、シロスタゾール群で有意に減少した。

Efficacy of Cilostazol in Preventing Aspiration Pneumonia in Acute Cerebral Infarction

Aiko Osawa,J Stroke Cerebrovasc Dis . 2013 Aug;22(6):857-61
  • 誤嚥性肺炎予防に対するシロスタゾールの有効性を検討したレトロスペクティブ研究。対象者は189例。
  • 肺炎は189例中27例(14.3%)に検出され、シロスタゾールを投与したのは189例中48例(25.4%)であった。
  • 肺炎の発生率は、シロスタゾール投与群では6.3%(48例中3例)であったのに対し、シロスタゾール非投与群では17%(141例中24例)であった。

Preventive Effect of Cilostazol on Pneumonia in Patients With Acute Cerebral Infarction

Yoshitsugu Nakamura,J Stroke Cerebrovasc Dis . 2018 Sep;27(9):2354-2359.
  • 2010年1月から2016年4月までに非心筋梗塞性急性脳梗塞の日本人患者199例をカルテを用いてレトロスペクティブに評価
  • シロスタゾール群(n=127)と非シロスタゾール群(n=72)との間で肺炎の発生状況を比較した。
  • 肺炎発症率はシロスタゾール群4.7%、非シロスタゾール群13.9%であり、シロスタゾール群で有意に低かった(P=0.02)

Cilostazol Is Effective to Prevent Stroke-Associated Pneumonia in Patients Receiving Tube Feeding

Shizuka Netsu,Dysphagia . 2018 Oct;33(5):716-724
  • 経管栄養を投与されている脳梗塞患者158例を対象とした。
  • 158人の患者のうち、14人(42.4%)が入院後72時間以内に脳卒中関連肺炎を発症し、33人(20.9%)が入院後14日以内に脳卒中関連肺炎を発症した。
  • 脳卒中関連肺炎発症(+)群と脳卒中関連肺炎発症(-)群におけるシロスタゾールの使用頻度はそれぞれ、6.1%vs.20.8%であり、肺炎発症(-)群で有意に高かった。

管理人のまとめ・感想

  • 脳梗塞患者におけるシロスタゾールの誤嚥性肺炎予防の効果に関しては、アスピリンなどの抗血小板薬と直接比較したRCTは無く質は高くありませんが、エビデンスはあるといえるでしょう。
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