ビタミンDと脳卒中リスクについて

ビタミンDと脳卒中の関係は?

  • ビタミンD(25-(OH)ビタミンD)は、骨代謝やカルシウムの恒常性維持に効果があることで最もよく知られています。
  • さらにビタミンDは、神経栄養因子の放出調節や血液脳関門の完全性維持に関与しているため、神経保護効果があることが示唆されていますおり、ここ数十年の間に、ビタミンDと脳卒中リスクの関係についていくつかの研究が行われてきました。
  • 先行研究の一つによると、ビタミンD摂取量が最低のカテゴリー(110IU/日未満)に対する、最高のカテゴリー(440IU/日以上)のハザード比は、脳卒中全体で0.70、脳実質内出血では0.66という結果でした。

文献紹介

Vitamin D Status and Risk of Stroke: The Rotterdam Study.

Berghout BP,Stroke. 2019 Sep;50(9):2293-2298.

対象と方法

  • 45歳以上の参加者9680人(女性56.8%)を対象に、1997年から2008年の間に血清25-(OH)ビタミンD濃度を測定した。
  • ビタミンD濃度によって参加者を以下の4つの群に振り分けた。
  • 充足群:sufficient(≧75 nmol/L)
  • 不足群:insufficient(<75 nmol/L)
  • 欠乏群:deficient(<50 nmol/L)
  • 重度欠乏群:severely deficient(<30 nmol/L)

結果

  • 9680人の参加者のうち、339人がベースライン時に脳卒中の既往歴を有していた。血清25-ヒドロキシビタミンD濃度は脳卒中の有病率と関連しており、1標準偏差減少あたりの調整オッズ比は1.31であった。
  • 脳卒中既往者を除外した後、9338人の参加者を追跡し、追跡期間中に脳卒中を発症した参加者は735人であった。血清25-ヒドロキシビタミンD濃度の低下は脳卒中リスクの上昇とは関連しておらず、1標準偏差減少あたりの調整済みハザード比は1.06であった。しかし、重度欠乏は有意な関連を示し、ハザード比1.25であった。

まとめ

  • ビタミンDと脳卒中の有病率との関連を明らかにした。重度のビタミンD欠乏のみが脳卒中の発症率と関連していた。このことは、ビタミンDレベルの低下が脳卒中リスクの上昇につながるのではなく、むしろ脳卒中の結果であることを示唆している。つまり、脳卒中を発症した人は日光への曝露量の減少や食事の質の低下などが原因でビタミンDの産生が制限されている可能性がある。

管理人まとめ・感想

  • この研究ではビタミンD濃度の低下と脳卒中発症リスクとの関連は示されなかったが、重度のビタミンD欠乏は脳卒中リスクの可能性を示唆しました。脳卒中リスク軽減のためには極端なビタミンD欠乏は避けた方がよさそうです。

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